大谷翔平をメジャーリーグに導いた父との「野球ノート」と目標達成「夢ノート」。そして「人生設計ノート」。

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2023で、日本を14年ぶり(3大会ぶり)3度目の世界一に導いた大谷翔平(おおたにしょうへい)選手。

アメリカのプロ野球リーグ・メジャーリーグ(MLB)チーム エンゼルスに所属し、1年目にはア・リーグ新人王を受賞。
2021年にはオールスターに史上初の投手と野手両方の「二刀流」で選ばれ、リーグMVPにも輝くなど、メジャーリーグでも活躍を続けています。

野球選手としての実力はもちろんのこと、ここに至るまでの努力や、礼儀正しく、自然体で、ゴミ拾いも自然とできてしまう人格にも世界中から注目が集まり、愛されています。

そんな大谷選手は、どんな幼少期を過ごし、どのような努力を積み重ねて、大スターになったのでしょうか。
ヒントは父との「野球ノート」とマンダラートと呼ばれる目標達成シート「夢ノート」、そして……高校3年生のときにつくった「人生設計ノート」にありました!

まずは子供時代から大リーガーになるまでの軌跡を年表で振り返ってみましょう。

1994年7月5日
社会人野球の選手だった父、バドミントン選手の母のもとに、三人兄弟の末っ子として岩手県水沢市(現在の奥州市)で誕生
幼少期
母のバドミントンの練習についていったり、父とキャッチボールをしたり、河川敷や公園で遊んだりと、いつも身体を動かす
幼稚園
水泳をはじめる
小学2年
地元の硬式リトルリーグ「水沢リトル」に入団
小学3年直前~5年生
父と野球交換日記「野球ノートをつける
中学時代
一ノ関市の「一関シニア」に所属
高校時代
花巻東高校進学し、野球漬けの日々。甲子園2度出場。球速160キロを記録し、二刀流としても注目を集め始める。
「夢ノートをつける
高校3年
人生設計ノート」で、「27歳でWBC日本代表MVP」と書き込む
2013年(高校卒業後)
北海道日本ハムファイターズ入団
2018年
メジャーリーグチーム ロサンゼルス・エンゼルス入団
ア・リーグ新人王
2021年
シーズンMVPとシルバースラッガー賞獲得
オールスターに史上初の投手と野手両方で選出
2023年
第5回WBCで世界一&大会MVPに輝く。

華々しい経歴の大谷選手ですが、幼少期はごくごく普通の運動好きの少年だったようです。

目次

生まれたときの体重は3,400グラム。意外にも少食だった子供時代

現在193㎝という高身長、大柄なメジャーリーガーにも引けを取らない体格の大谷選手ですが、実は生まれたときの体重は3,400グラムと、特別大きかった訳ではありませんでした。

高校時代には1日10杯ものご飯を食べるほどになりましたが、実は幼少期は少食。
でも両親は「家族で食事を楽しむ」ことを重視し、無理に食べさせることはありませんでした。

遊びは、というと、近くの公園や河川敷に行って身体を動かしたり、お母さんのバドミントンの練習についていったり、お父さんとキャッチボールしたりと、いつも体を動かしている子供。

幼稚園の頃には、のちの野球に

関節の柔らかさや肩の可動域などに関しては影響があった

とされる水泳をスタート!
小学4年生の頃まで続け、高校の野球部時代、野球部の水泳トレーニングを見た水泳チームのコーチが「オリンピックを目指せる」と
太鼓判を押したほどのレベルまで上達したほど。

怒られたことがほとんどない、末っ子キャラの甘えん坊

2歳上のお姉さん、7歳上のお兄さんに囲まれ、末っ子として育った大谷選手は、

末っ子ということで、家の中ではわりと甘えん坊

で、家族から大事に見守られながら成長しました。

お姉さん、お兄さんの様子も含め、周りを見て何かを感じ取ることが上手。
あまり怒られるようなことはせず、反抗期もありませんでした。

でも自己主張するときは、する。

幼少期にお気に入りの本の端っこが少しでも折れてると「誰が折ったんだ!」と感情をむき出しにして怒ったことも。

負けず嫌いの一面もあり、負けると、もういっかい!と食い下がるのが日常茶飯事。
年上の子とも取っ組み合いのケンカをしていたそうです。

趣味=野球。ゲームより野球!の少年時代

そんな大谷選手が野球を本格的にはじめたのは、小学2年のとき。
地元の硬式リトルリーグ「水沢リトル」に入団してから、野球にあけくれる人生がスタートしました。

趣味は「野球」だった、少年時代。

あるとき、野球チームの監督が子供たちに「ゲームは持ってっるのか?」と聞いたところ、みんなが手をあげるなか、大谷選手だけは手を挙げませんでした。
なぜか聞いたところ、回答は……

野球の方が好きですから


そんな野球に没頭する大谷選手を、お母さんは野球チームへの送迎や、練習への付き添い。
野球チームの監督兼コーチもしていたお父さんはこのあと紹介する「野球ノート」などで、支え、見守りました。

そして、何か選択が必要なときは、口を出さずに本人に決めさせる。

環境を整えながら、見守る。

これが大谷家の教育方法でした。

野球選手・大谷翔平を生み出した、3つのノート

名実ともにここまでの大スターになるまでには、元々の素質や周りの支えはもちろんのこと、本人の努力があってこそ。

そしてその努力は、3つのノートに支えられていました。

少年時代 父との野球交換日記「野球ノート」

監督兼コーチだった父は、野球の練習が終わってからは、基本的に自宅に野球を持ち込まず、意識的に家では指導をしませんでした。

その代わり小学3年になる直前から5年生ぐらいまでつけていたのが、「野球ノート」。
お父さんと大谷選手の野球における交換日記のようなもので、毎日ではなく、大会や合宿などの節目で大谷選手が「良かったこと」、「悪かったこと」、「目標」を書き、お父さんがそこにアドバイスを書き添えていくスタイル。

野球ノートをつけた狙いについて、お父さんは

そこで大切なのは、悪かった時に次に何をすれば課題を克服できるのかを考えて行動に移すことだと思っていました。試合になれば、エラーや三振はつきものです。その反省から、自分がどういう取り組みをしていくのか。それらを言葉で書き残すことによって、やるべきことを頭に入れてほしかったんです。つまりは、練習や試合を通しながら日々の意識付けをしっかりとしてほしかった。野球ノートを始めたきっかけは、そこにありました

東洋経済オンライン 大谷翔平が今も大切にする、父の「3つの教え」

と言います。

そのノートの至るところに、お父さんが伝えたかった「野球をやっていくうえで大事にしながら進んでほしい、3つのポイント」が散りばめられていました。

  • 一つ目は、「大きな声を出して、元気よくプレーする」
  • 二つ目は、「キャッチボールを一生懸命に練習する」
  • 三つ目は、「一生懸命に走る」

このお父さんからの教えについて、のちに大谷選手は、こう語っています。

「父親の教えは基本的なものですが、今でも覚えています。」

高校時代 ドラ1 8球団を目指し書いた「夢ノート」

高校時代の監督・佐々木洋氏からの教えにより作成した、8球団からドラフト1位指名を受けるという目標を達成するための、「マンダラート」という目標達成シート。
夢ノート」とも呼ばれています。

一番叶えたい目標を真ん中に書き、それを達成するために必要な要素を8つ記入。
8つの要素を囲うように、それぞれ必要な要素を8つずつ書き込む、9×9 合計81マスのシートです。

夢に向かって闇雲に突っ走るのではなく、夢を叶えるために足りないものを書き出し、論理的に努力する。
これが大谷選手の成功の秘訣ともいえます。

以下が、作成方法と大谷選手が高校3年間で16枚書いたなかの最初の1枚です。

STEP
まず中央に叶えたい目標を書く

ドラ1 8球団→8球団からドラフト1位指名を受ける

STEP
そのために必要な手段を8つ、周囲のマスに書き出す

メンタル、人間性、運、コントロール、体づくり、キレ、スピード160km、変化球

STEP
そのための手段をさらに具体化し、残りのマスに書き出す

8つのマスのうち、一見、野球のスキルアップに直結しなそうなこんな「運」「人間性」「メンタル」は、
こんな言葉で囲われていました。

  • 運→「本を読む」「ゴミ拾い」「あいさつ」「道具を大切に使う」「プラス思考」「応援される人間になる」「部屋そうじ」「審判さんへの態度」
  • 人間性→「計画性」「感謝」「継続力」「信頼される人間」「礼儀」「思いやり」「感性」「愛される人間」
  • メンタル→「はっきりとした目標、目的を持つ」「一喜一憂しない」「頭は冷静に心は熱く」「雰囲気に流されない」「仲間を思いやる心」「勝利への執念」「波をつくらない」「ピンチに強い」

「WBC日本代表MVP」を予言した、「人生設計ノート」

高校3年のとき、年齢ごとに将来の自分が何をしているかを記した「人生設計ノート」を作成。

そこに記されていたこと。それは……

27歳でWBC日本代表MVP

28歳でのWBC日本代表MVPですが、コロナ禍で大会がずれ込んだことを考えると、まさに、有言実行

ちなみにこの「人生設計ノート」は、70歳までの計画が書かれています。
目標を明確に持ち、それを文字にし、そしてそれを実現するための努力をする。

大谷選手のすごさはまさにここにあるといえます!

大谷翔平=両親の「見守る」姿勢+3つのノート

大谷翔平選手の野球選手としての実力と、その愛される人間性は、ご両親の口は出さずに環境を整え「見守る」姿勢と、「野球ノート」「夢ノート」「人生設計ノート」に原点があったようです。

トップランナー、一流、と呼ばれる人たちには、そこに至るまでのドラマと、辿り着くまでの理由があります。

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