将棋の藤井聡太棋士も学んだ「モンテッソーリ教育」。
Amazon創業者のジェフ・ベゾス、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ、オバマ前大統領など世界の名だたる著名人もこの教育を受けており、名前を聞いたことがある方も多いかもしれません。
「個性を大切にする」という点で、STREAMS教育とも共通する部分があります。
そんなモンテッソーリ教育って、そもそもなに?
実際に受けたい場合はどうすればいい? 学校はある?
デメリットはあるの?など、気になる点をまとめてみました!
おうちで簡単にできるモンテ教育も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
個性が育つ! モンテッソーリ教育の魅力
モンテッソーリ教育とは、20世紀初頭にイタリアの医師マリア・モンテッソーリが提唱した教育理論。
モンテッソーリは、子どもたちが自己学習を行うことを重視し、そのためには環境づくりが大切だと考えていました。
そのため、教室の中に、様々なおもちゃや教具を置き、子どもたちが自由に取り出して自己学習をすることを推奨しました。
モンテッソーリ教育では、「子どもには自分で自分を教育する、育てる力がある」という考えのもと、子どもたちが自己成長を促すため、以下のような教育方法が取り入れられています。
- 教室の中に、子どもたちが自由に取り出せるおもちゃや教具を置くこと。
- 子どもたちの個性を尊重し、自己表現を促すこと。
- 子どもたちが自己学習を行うための環境づくりをすること。
このような教育方法により、モンテッソーリ教育は、「自己成長」や「自己学習」を重視する教育方法として、世界中で広く受け入れられています。
具体的にどんな教育をする?
従来の教育とは異なり、0~3歳の前期、3~6歳までの後期、と、発達段階に合わせた教育になっていて、次の5つの教育分野を、さまざまな教具を使用しながら学んでいきます。
- 日常生活の練習
「机を拭く」、「窓を拭く」、「水を注ぐ」など日頃の活動を通じて、自分の体を意志どおりにコントロールする能力を身につけます。 - 感覚教育
様々な教具を使い、視覚、触覚、聴覚、味覚、嗅覚の五感を刺激し、感覚を洗練させ、観察力や識別力を養います。 - 言語教育
絵カードなどの教具を通して、話す、書く、読む、さらに文法や文章構成力を身につけ、語彙を豊かにします。 - 算数教育
感覚教具などを使って、数について実際に手を使いながら覚え、論理的に思考する力、理解力、判断力などを養います。 - 文化教育
動植物、地理、地学、歴史、道徳(宗教)、音楽、体育、美術などを含む文化や世界を学び、「なぜ?どうして?」の答えを見つけていきます。
どんな力が身につく?
モンテッソーリ教育の効果は、子供たちの自主性や創造性を高め、個性を伸ばすことができることで有名。
具体的には、以下のような力が身につくとされています。
- 自主性や自己決定力の育成
子どもたちが自分で考え、行動することで、自主性や自己決定力が育まれます。 - 創造性の向上
自由度の高い学習環境で、子どもたちは自分で問題を解決し、新しいアイデアを生み出すことが求められます。そのため、創造性が向上することが期待できます。 - 集中力や自己制御力の向上
子どもたちは自分で目的を見つけ、自分で学習を進めていきます。そのため、自分で進めていくために必要な集中力や自己制御力が身につくことが期待されます。 - 社会性の向上
年齢や性別などを超えた交流が積極的に行われます。子どもたちは異年齢の子どもたちと一緒に活動をすることで、社会性が向上するとされています。 - 基礎学力の身につけ方が多様
子どもたちは自分で興味を持ったことを学ぶことができます。そのため、基礎学力の身につけ方が多様であるとされています。
シュタイナー教育、レッジョ・エミリア教育との違いは?
シュタイナー教育は、自然、芸術、人文科学を基礎として、すべての教育に歌や詩、絵などをふんだんに取り入れられ、決まった教科書やテストもありません。
日本では、俳優の斎藤工さんがこの教育を受けたことで有名ですよね。
レッジョ・エミリア教育は、「教師の指示で動くのではなく、子どもたちが自ら行動する力」を重視するのが特徴。プロジェクト型の活動(探求学習)や、アート活動が多い教育法です。
いずれも個性を大切に育む教育法として、モンテッソーリ教育と並んで注目を集めています。
日本でうけられるモンテッソーリ教育
日本では、モンテッソーリ教育が注目を集めるようになってから、多くの幼稚園や保育園で取り入れられるようになりました。
おもちゃや教具を子どもたちが自由に触れられる配置や置き方にする、子どもたちが自ら学ぶ姿勢を尊重する、など、モンテッソーリ幼稚園以外でも、部分的に教育法が取り入れられていることも。
モンテッソーリ教育を受けられる学校
まずモンテッソーリ小学校は、義務教育ではなくインターナショナルスクール扱いとなるため、
日本では保育園や幼稚園までにモンテッソーリ教育を受けるのがほとんどです。
実際にモンテッソーリ教育を受けられる保育園・幼稚園については、
「日本モンテッソーリ教育総合研究所」の公式サイトには、いくつかの園が掲載されているので、参考にしてみるのもよいかもしれません。
掲載されている園以外にも、ネット検索してみると、子どもにあった園が見つかるかもしれませんよ!
モンテッソーリを受けた有名人
日本では、将棋の藤井聡太棋士や、卓球の平野美宇選手が有名です。
海外でも、Amazon創業者のジェフ・ベゾス、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ、オバマ前大統領など世界の名だたる著名人もこの教育を受けています。
日本の教育に馴染めなくなる!? モンテッソーリ教育のデメリットは?
子供の個性を尊重し、自由度が高いため、小学校入学後の集団行動で馴染めない可能性がある、という声も。
また教育費用が割高になる傾向もあるようです。
- コストが高い
おもちゃや教具にこだわりがあり、質の高いものが必要とされます。そのため、教育費用が高くなることも。 - 協調性が身に付きづらい
一人ひとりが別のお仕事をすることが多いため、このように言われています。 - 切り替えが難しくなる
本人が納得するまで教師は止めることがないため、時間割等に沿って切り替えることが難しくなる場合も。 - 運動が少ない
メリットとデメリットをよく把握したうえで、子どもあった教育かどうか、見極めるのが大切です。
本物重視! モンテッソーリ教育で使われる教具&おもちゃ
では実際にモンテッソーリ教育では、どんな教具(おもちゃ)を使うのでしょうか。
まず、モンテッソーリ教育で使われる教具(おもちゃ)は、シンプルかつ自然な素材で作られています。
木製のものや石や貝殻などの自然物、綿や絹などの布地、そして銅や真鍮などの金属製品などが代表的。
これらの素材は、子どもたちが直接触れ、感じることができるため、身体的な感覚を刺激するとともに、素材自体がもつ特徴や性質を知ることができます。
食器なども、プラスチックのものではなく、ガラスや陶器の壊れやすいものを使うのが特徴です。
また、教具には、子どもたちが自分で動かすことができるような仕掛けが施されています。
例えば、積み木やパズル、木製の玩具などは、自由に組み立てたり分解したりすることができるため、創造性や思考力を育成することができます。
単純な機械的な動きをする教具もあり、その動きを観察することで、物理的な原理や仕組みを理解することができます。
さらに、モンテッソーリ教育で使われる教具には、一つの教具で複数の学びを得ることができるものも!
例えば、幼児向けの教育玩具である「モンテッソーリの鏡」は、子どもたちが自分自身を観察することができるだけでなく、形の認識や対象の位置関係を理解することができます。
また、「ビーズのはさみ切り」という教具は、ビーズを切り離すことで、色や数の概念を学ぶことができます。
- シール貼り
- 紐通し
- 円柱さし
- 積み木
- 味覚瓶
身近にあるもので実践! おうちでできるモンテッソーリ
自宅でもできることはたくさんあります!
たとえば……
掃除や片付けを手伝わせる
自分で簡単な掃除や片付けを手伝うことで、子どもが自己決定力や自主性を身につけることができます。
パズルやブロック遊びをする
子どもが色や形、サイズを認識することができ、手先を使いながら思考力も養えます。
自然の中で遊ぶ
自然に触れたり、自分で探索したりすることで、子どもが好奇心を刺激され、学びを深めることができます。
パンやお菓子作りをする
パンやお菓子作りを通して、子どもは手先を使い、材料を計量したり混ぜたりすることで、料理の基本的なスキルを身につけることができます。
絵を描いたり、切り貼りをする
絵を描いたり、切り貼りをすることで、子どもが自分の感性を表現し、創造力を発揮することができます。
植物の世話をする
植物の世話をすることで、子どもが自然との関わりを持ち、自然の中で生きることを学びながら、責任感や感性を育むことができます。
このようにモンテッソーリ教育をおこなっている幼稚園などに通わなくても、
おうちでできることはたくさんあります!
藤井聡太棋士も学んだモンテッソーリ教育 まとめ
モンテッソーリ教育は、子どもたちが自己学習や自己成長を促す教育方法であり、個性を大切にするその教育法に注目する声も多く聞かれます。
ただし、デメリットもあります。自由すぎる教育が子どもたちにとって過負荷になることも。
特性を理解した上で、自分や自分の子どもに合った教育方法を選ぶことが大切です。
STREAMS教育.comでは、子どもの個性を伸ばす、さまざまな情報を発信しています。
他の記事も参考にしながら、子どもにぴったりの方法を見つけていけるといいですよね!