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2023年3月開催の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表に選ばれた、
MLBのセントルイス・カージナルスで活躍中のラーズ・ヌートバー選手。
母親が日本人、父親はオランダ系アメリカ人で、国籍はアメリカ。
日本国外で生まれた(侍ジャパン)第1号選手としても話題です。
2018年のMLBドラフト8巡目(全体243位)で
セントルイス・カージナルスから指名され、プロ入り。
入団2年目の20年には新型コロナの影響でマイナーリーグのシーズンが中止になるも、
21年にメジャーデビュー。
セントルイスのファンからも、「ヌーーーート」と呼ばれ、親しまれているヌートバー選手。
アメリカ生まれ・育ちながら、日本代表に選ばれた裏には、
自ら「昭和の人間」という母の厳しい教えと、
9歳のときの高校日本代表との運命的な出会いがありました。
まずはここまでの軌跡を年表で振り返ってみましょう。
自由に伸び伸び、が教育方針の両親のもと、
子供の頃からスポーツ三昧。
米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊のエルセグンドという街にある自宅から2分ほどのところには、
バスケットコート、ローラーホッケー場、ランニングコース、そして野球場もある総合運動施設「ジョージ・ブレットフィールド」が。
とにかく子供たちにとにかく外で遊んで欲しかった両親は、
アメリカで生活拠点を探していたなかで、
「『ここしかない』って。主人も私もスポーツをして育ったので、それが当たり前みたいな感じでした」
ヌートバーは日米二刀流 母が語る日系侍ジャパン選手の原点(サンスポ)
と、家のなかも見ないで、選んだという環境。
そんななかでヌートバー選手は、学校から帰るや否や、遊び場へ駆け出し、
10時に施設の電気が消える頃まで遊び続けました。
母は、中高時代、ソフトボールに打ち込み、強豪の埼玉・松山女子高で活躍。
父は、学業を優先して高校で引退したが、元野球選手。
兄は野球・サッカー・バスケット、長女はバレーボールなど、
スポーツ一家のヌートバー家。
そんなスポーツをするのに最高の環境で育ったヌートバー選手は、
野球、アメフト、バスケット、ホッケー、ライフガードとあらゆる競技を経験していくことに。
高校時代は野球をアメフトに打ち込み、
クオーターバックとして活躍したアメリカンフットボールでは、複数の大学から勧誘を受けたほど。
さまざまなスポーツをするのが「米国流」。
そして、こんな母の想いもありました。
1年中、違うスポーツをやっていた。何で目が出るか分からない。とにかく、家でゴロゴロさせるのが嫌だった。英才教育は全くしていないし、メジャーの選手にしたいと思ったことはなかったですけど
侍ジャパン入り…ヌートバーを育てた“昭和”の教育方針 母が語った『3つのおきて』(中日スポーツ)
2006年、ヌートバー選手が9歳のとき。
野球の高校日本代表で訪米した選手2人をホストファミリーとして迎え入れたのが、
日本の野球との出会いでした。
チーム内でも“野球大好き少年”がいると話題になり、
田中将大さん、斎藤佑樹さんらが活躍していた代表チームの練習に誘われることに。
気さくで明るい代表メンバーに優しく、親切にしてもらったヌートバー選手は
すっかり、“日本の球児”の虜!
影響を大きく受け、
当時の高校球児の間では、丸く折る形が流行っていたのに影響され、
ヌートバー選手も帽子のツバを丸くするほどでした。
そして日本代表が帰国した翌年、10歳でリトルリーグのオールスターチームに選ばれます。
その際撮られた自己紹介ムービーで語った言葉。
それは……
‘My name is Lars Nootbaar, No.21. And I’m a Japanese’.
僕の名前はラーズ・ヌートバーです。背番号は21。日本人です。‘I’m representing my country for Japan’.
「僕の名前はラーズ・ヌートバー。日本人です」ヌートバー10歳、突然の“予言”…母クミさんが語る“WBC代表選出の15年前”「あれは本気だったのか」 – 侍ジャパン – Number Web
僕は日本を代表してここにいます。
そんな彼の日本への想いは、高校野球代表との出会いはもちろんのこと、
幼い頃から母がつくったおにぎりや日本式弁当、
「納豆ご飯」や「梅干し」の朝ごはん、
母自身が大好きだという甲子園の話、
日本の教えなどが、関係しているのでしょうか。
みずから「昭和の人間」と語る母の教えは、厳しかったようで……
子供の頃から、この3つの掟を口酸っぱく言われてきました。
協調性の大切さや、玄関で靴を脱ぐなどの日本文化も伝えていたそうです。
ちなみに日本代表に加わることになったヌートバー選手に最近伝えたことは……
日本は和を大切にする文化。郷に入れば郷に従え、じゃないですが、現地のしきたりに合わせること。自分が今までやってきたことでも、異国では受け入れられないこともある。日本のしきたりに慣れなきゃ駄目よ
ヌートバー母が明かす“栗山監督とのWBC面談”「髪のセットも化粧もなにも(笑)」飛び入り参加の舞台裏…では父が考える「適正打順」は?(3/4) – 侍ジャパン – Number Web – ナンバー
侍ジャパン入りが決まってからは、「侍ジャパン」の言葉を使って、
お母さんの笑いを誘ってくるというヌートバー選手。
「家に来たら、『侍ジャパン Coming(来たよ)』とか、何でも侍ジャパンをつけてくる。この前も『侍ジャパン Starving(めっちゃおなかすいた)』って言って。だから、私もラーズが変なことすると、『侍ジャパンはそんなことしないな』と言い返してね(笑)。ずっとこんな感じ」
侍ジャパン入り…ヌートバーを育てた“昭和”の教育方針 母が語った『3つのおきて』(中日スポーツ)
というおちゃめなキャラクターは、日本代表の栗山監督に
「直接話したら100%、全員が好きになる。愛すべき人柄」
と言われるほど!
そんなヌートバー選手の原点には、
高校日本代表選手との出会いはもちろんのこと、
米国流の「自由に伸び伸び」と、
日本流の「時間は守る」「友達とは仲良くする」「あいさつはちゃんとする」の
二刀流教育があったようです。
トップランナー、一流、と呼ばれる人たちには、
そこに至るまでのドラマと、辿り着くまでの理由があります。
STREAMS教育.comでは今後も第一線で活躍する人々のドラマを追いながら、
未来の教育の手がかりを見つけていきたいと思います!
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執筆/編集:STREAMS教育.com編集部
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※情報は記事作成時点(2023/02/09)または更新時点(2024/10/30)のものです。
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